ふくどめ小牧場 鹿児島・鹿屋
骨付きすね肉の
本格ドイツ料理
ふくどめ小牧場
福留洋一さんの「幸福豚の
アイスバイン」
調理済みの、皮付きの前足と、後足のセットです。
温めて、ザワークラウトやマスタードなどとお楽しみください。
極めて上質な豚肉です。
ふくどめ小牧場の福留洋一さんの「幸福豚のアイスバイン」は、優しい自然な味つけで、上質な豚すね肉の美味しさを素直に堪能できる傑作です。
鹿児島県鹿屋市にある「ふくどめ小牧場」は、厳選した豚の繁殖・飼育からハム・ソーセージの製造・販売までを一家で一貫して手がける日本では稀有な牧場です。あえて“小”牧場と名付け、目の行き届く規模で、愛情をかけて豚を育て、加工まで行ないます。
飼育を担う福留俊明さんは、養豚の本場オランダの学校で養豚技術を修得。食肉加工を担う福留洋一さんは、ドイツで豚の飼育から加工までをビオで一貫して行なう専門店「ヘルマンズドルフ」で7年修業し、ドイツマイスターを取得するという本格派です。
豚の品種は、日本で唯一と言われる「ブリティッシュ・サドルバック」と、その血を受け継いだ「幸福豚」です。今回は、幸福豚の骨付きすね肉を使った、ドイツ伝統の肉料理アイスバインをお届けします。
前足は皮付きです。
前足は柔らかな皮付きのままで調理してあります。皮なしの後足とセットでお届けします。幸福豚のすね肉は、余計な脂がなく、赤身の旨味が濃いことが特徴です。しっかりとゆでてあるため、程よくほどけて、心地よい弾力を楽しめます。後足は、幸福豚の赤身肉の圧倒的な旨さを味わうことができます。前足はゼラチン質をたっぷりと含む皮の美味しさがたまりません。
味わいは繊細、香りも豊かです。
幸福豚のアイスバインは、肉そのものの美味しさを生かすため、選び抜いた塩、ハーブ、香辛料でシンプルに香りよく仕上げています。ビールはもちろん、白ワインにも合わせたくなる、しっとりとして風味豊かな味わいの肉料理です。
福留洋一さんに美味しさの秘訣を伺いました。
肉の風味を生かすことが大切です。
アイスバインを作る福留洋一さんです。
「幸福豚のアイスバインは、すね肉の美味しさが伝わるようにハーブ、香辛料、塩を選んでいます。遠方からお問い合わせくださるお客さまが多く、ありがたいですね」と、洋一さんは言います。
洋一さんは、2002年にイギリスへ語学留学し、2003年に食肉加工技術の習得のためドイツに渡ります。豚の飼育から加工肉の製造までをすべてオリジナルで、しかもビオで行なう専門店「Herrmannsdorf(ヘルマンズドルフ)」で約7年間修業しました。2009年にマイスターのドイツ国家資格を取得。2011年に帰国し、翌年に両親や兄妹と「ふくどめ小牧場」をスタートさせました。
サドルバックは幻の豚。
アイスバインには、ふくどめ小牧場オリジナル品種の「幸福豚」という、ブリティッシュ・サドルバックと白豚を掛け合わせた豚のすね肉を使います。親豚のサドルバック(画像)は、洋一さんがドイツの「ヘルマンズドルフ」で出会った豚です。日本で唯一の品種です。
「豚肉のおいしさは脂身にあると言われています。サドルバックは人肌でも溶けるような脂身の柔らかさと旨みが特徴で、ヨーロッパでは“幻の豚”と呼ばれています。幸福豚はサドルバックをかけ合わせたオリジナルの品種で、脂の旨味を受け継ぎながらも、赤身の多さと柔らかさをあわせ持っています」と、洋一さんは語ります。
餌は自家配合です。
餌はトウモロコシ、海藻、麦、納豆菌などを自家配合し、人間でも口にできるような安全なものを与えています。水は地下80mから汲み上げた新鮮な地下水をいつでも飲めるようにしています。「どちらの豚も、量ではなく、質を上げていくことを大切にしながら、清潔な環境でのびのびと育てています」とのことです。
ヘルマンズドルフから受け継いだこと。
「ヘルマンズドルフから受け継いだことは、サドルバックを導入したこと以外に大きく2つあります。“命を預かるという責任を持ち、脂も皮も骨も捨てることなく1頭まるごと使い切る”という姿勢です。商品優先ではなく素材を100%活かすことを優先した加工・製造を心がけています。
もう一つは、独自のスパイス配合をすることです。日本もドイツもハムやソーセージに市販のミックス香辛料が使われることがほとんどです。香辛料ひとつひとつをミルで潰して混ぜていく手法は手間がかかりますが、何が入っているかを自分たちで把握しながら作ることは大切なことで、素材のおいしさを最大限に引き出すために欠かせない製法であると考えています」と、洋一さんは語ります。
自家菜園で採れるハーブも使います。
幸福豚のアイスバインの味を決めるソミュール液には、自家菜園のハーブと香辛料を8種以上使います。主なものは、胡椒を白と黒の2種、ローリエ、コリアンダー、ローズマリー、フェンネル、セージ、ジュニパーベリーなどです。これらを丸一日かけてじっくりと煮出します。「ソミュール液は、潰したての香辛料や牧場で採れる新鮮なハーブ使うと、手間はかかるけれど、幸福豚の肉の旨味が生きるから欠かせない」と、洋一さんは語ります。
鹿児島の海の塩を使います。
「ドイツでは岩塩を使うため、アイスバインは塩味の強い肉料理という印象があると思います。うちでは肉の風味を生かすため海塩を使ってマイルドな仕上がりにしています」と洋一さん。幸福豚のアイスバインは、自家製ソミュール液に鹿児島県の佐多の塩を使います。このソミュール液で、すね肉を約1週間かけてマリネし、その後80℃の温度で3時間ほどゆでて完成します。
美味しい食べ方を教わります。
ザワークラウトなどとどうぞ。
冷蔵でお届けします。湯煎で温めてお召し上がりください。塊を食卓にのせて切り分けながら食べるもよし、画像のようにあらかじめほぐして盛り付けてもいいと思います。付け合わせはザワークラウト、マスタードは画像の粒マスタードのほかに、まろやかなディジョンタイプがおすすめです。ほかに、ピクルス、クレソンなどの葉物も合います。
根菜を煮ても楽しめます。
幸福豚のアイスバインは、肉の旨味、香り、塩味のバランスが秀逸です。残った肉と骨を使って野菜を煮込めば、アイスバインを余すことなく楽しめます。
スープも楽しめます。
肉と野菜の旨味が溶け出したスープは、パンやライスに浸しても美味しいです。
数量限定でご用意しています。
ふくどめ小牧場では、目の行き届く規模で、愛情をかけて豚を育てています。そのため、豚の出荷頭数に上限があり、すね肉の確保と加工に発注後、約2〜3週間いただきます。生産者の愛情と丁寧な仕事を感じる幸福豚のアイスバインは、到着を待つ甲斐のある一品です。
文・前田朋子
撮影・磯畑弘樹、八木澤芳彦(料理)
ふくどめ小牧場
〒893-0044
鹿児島県鹿屋市獅子目町81−1
営業時間 / 9:30 - 17:00
定休日 / 毎週月曜日・火曜日